【日本经典故事诵读】天狗にさらわれた子ども
天狗にさらわれた子ども
東京都の民話
むかしむかし、ある殿さまの家来けらいに、小島伝八こじまでんぱちという侍さむらいがいました。
伝八でんぱちには惣九郎そうくろうという一人息子ひとりむすこがいて、まるで宝物たからもののように大事だいじにしています。
ところが惣九郎そうくろうが十一歳じゅういっさいになった春はる、突然姿とつぜんすがたを消けしたのです。
伝八でんぱちと奥おくさんは、気きもくるわんばかりに八方手はっぽうてをつくして探さがし回まわったのですが、どこへ行いったのか、ついに分わからずじまいでした。
ひと月つきたっても何なんの手がかりもなく、とうとう伝八夫婦でんぱちふうふまで寝ねこんでしまいます。
するとある日ひの事こと、近ちかくの町まちに住すむ古着屋ふるぎやの主人しゅじんがやってきました。
むかし、伝八でんぱちが面倒めんどうを見みてやった男おとこです。
「噂うわさを聞きいてもしやと思おもい、かけつけてきました」
「もしやとは」伝八でんぱちが尋たずねると、
「はい、五日いつかほど前まえの明あけ方がたごろ。いつもより早はやめに起おきて店みせの戸とを開あけていたら、十歳じゅうさいぐらいの男おとこの子こを連つれた山伏やまぶし姿すがたの男おとこが立たっていて、
『子こどもの藁草履わらぞうりを売うっている店みせはないか?』と、尋たずねました。
『少すこし行いったところに草履ぞうりを売うる店みせがあるけど、まだ起おきてはいないでしょう』)と、いったら、黙だまってたち去さっていきました。男おとこの子この身みなりが、お侍さむらいの子こどもらしいので、不思議ふしぎに思おもっていたら、小島こじまさまのお子こさんが行方不明ゆくえふめいと聞きいて、もしやあの時ときの男おとこの子こではないかと思おもったのです」古着屋ふるぎやの主人しゅじんは、男おとこの子この身みなりや顔かおつきについても、詳くわしく話はなして聞きかせると、
「間違まちがいない! それはわしのせがれだ!」伝八でんぱちは思おもわず立たちあがり、その声こえを聞ききつけた奥おくさんも起おきてきました。
「しかし、山伏姿やまぶしすがたの男おとことは何者なにものだろう?」
「さあ、はっきり分わかりませんが、もしかして天狗かもしれません。天狗てんぐは人前ひとまえに現あらわれるとき、山伏姿やまぶしすがたに身みを変かえると言いいます」
「確たしかに天狗てんぐのしわざに違ちがいない。さもなくば、突然姿とつぜんすがたを消けすわけがない。しかし、どうすればよいのだ?」
「もしかして今いまごろ、山やまに連つれていかれて、ひどいめにあわされているのでは」涙なみだを流ながす奥おくさんに、古着屋ふるぎやの主人しゅじんが慰なぐさめるように言いいました。
「もし相手あいてが天狗てんぐでしたら、妙法寺みょうほうじの上人しょうにん(徳とくの高たかいお坊ぼうさん)さまにお願ねがいすれば、なんとかなると思おもいます。上人しょうにんさまの法力ほうりきはたいしたものだと聞きいています」
そこで伝八でんぱちは、早速妙法寺さっそくみょうほうじへ出でかけ、「天狗てんぐから息子むすこを取とり戻もどしてほしい!」と、頼たのみました。次つぎの日ひ、屋敷やしきの庭にわに護摩壇ごまだんをつくり、上人しょうにんの来くるのを待まっていると、上人しょうにんは二十人にじゅうにんばかりの坊ぼうさんを引ひき連つれて、伝八でんぱちの屋敷やしきへやってきました。早速護摩さっそくごまがたかれ、上人しょうにんと坊ぼうさんたちが一心いっしんに祈祷きとうを始はじめました。
祈祷きとうは毎日まいにちくり返かえされて、ついに七日なのかめ、護摩ごまの火ひがいちだんと高たかく燃もえあがって、雲一くもひとつない空そらに黒くろい影かげがポッカリと浮うかんだのです。伝八夫婦でんぱちふうふや集あつまった者ものたちがいっせいに空そらを見みあげると、黒くろい影かげはだんだんと大おおきくなり、まるでワシのように飛とんできたかと思おもうと、さっと庭にわに降おり立たちました。「天狗てんぐ!」
そこには背中せなかに翼つばさをつけ、ワシの嘴くちばしみたいに鼻はなのとがった天狗てんぐが、人間にんげんの男おとこの子こを抱かかえて立たっていたのです。天狗てんぐは黙だまって男おとこの子こを下したへおろすと、そのまま飛とび上あがって空そらの彼方かなたへ消きえてしまいました。
「惣九郎そうくろう!」伝八でんぱちがかけより、力ちからいっぱいわが子こを抱だきしめた。
「ありがとうございました」奥おくさんが、上人しょうにんや坊ぼうさんたちに手てを合あわせます。見物人けんぶつにんたちも、ハッと我われに返かえり、
「よかった、よかった」と、いいながら、頷うなずきあいました。
こんな事ことがあってから、妙法寺みょうほうじの上人しょうにんの評判ひょうばんはますますあがりました。
しかしどうしたわけか、惣九郎そうくろうはこの時ときから、まるで気きぬけしたようになり、何なにを尋たずねても首くびを横よこにふるばかりです。町まちの人ひとたちは、そんな惣九郎そうくろうを見みるたびに、
「天狗てんぐというものは恐おそろしいものだ。人ひとの魂たましいまでも抜ぬきとってしまうらしい」と、ますます天狗てんぐを怖こわがったという事ことです。
殿さま:老爷,大人。
侍:武士;有骨气,行动果断的人。
姿を消す:消失踪影。
気もくるわんばかり:简直要疯了。
八方手をつくす:想方设法;千方百计。
寝こむ:入睡,熟睡;卧床不起。
古着屋:旧衣铺,估衣铺。
もしや:或许。
山伏:在山野中修行的僧侣;修行者。
藁草履わらぞうり:稻草鞋。
身なり:服饰,装束,打扮。
行方不明:去向不明,失踪。
顔つき:相貌;脸形;表情,神色。
せがれ:小孩子;小家伙。
天狗:天狗(想象中的怪物,栖息在深山,形状像人,红脸,鼻长,有翅膀)。
さもなくば:要不然,不然的话,否则。
法力:佛法的功德,佛法的威力。
護摩壇:护摩坛。
引き連れる:带领;率领。
屋敷:房地,宅地;公馆,宅邸。
一心:同心,齐心;专心,一心一意。
いちだんと:更加,越发。
ポッカリ:漂浮;突然(裂开)。
いっせいに:一齐,同时。
彼方:彼方,那边。
ハッと:突然(想起);(因意外事件而)吃惊。
我に返り:苏生,复活。
頷く:点头,首肯。
気ぬけ:失神;沮丧,气馁。
首を横にふる:摇头。
抜きとる:抽出,拔出;选出。
被天狗掠走的孩子
(东京民间故事)
从前,某大人的家臣中有一个叫小岛传八的武士。
传八有一个叫惣九郎的独生子。家里人把这个孩子当成宝贝一样疼爱。
可是,惣九郎在十一岁的那年春天,突然不见了。
传八和夫人四处寻找,可还是没有找到,夫妇两人都快急疯了。
过了一个月也没有任何线索,最后传八夫妻两个人都因此卧床不起了。
有一天,邻村的估衣(旧服装)铺的主人来到了他家。
估衣铺的主人以前曾经受过传八的关照。
“我只是听到传闻,也许是……?所以才特意告诉你们。”
“也许是……?是什么?”传八问道。
“是这么回事,五天前的凌晨。我起的比平时早,打开店门的时候,有一位修行僧带着一个十来岁的男孩,问‘哪里有卖小孩草鞋的商店’,我回答说‘往前走不远就有卖草鞋的商店,估计现在还没有营业吧’,他没有说什么就走了。那个男孩的打扮很像武士您家的孩子,当时我也觉得不可思议,后来听说您家里的孩子去向不明,所以想那个时候的那个男孩也许是令公子。”
估衣铺的主人把男孩的打扮长相都详细的说给小岛听。
“没错!那就是我们的孩子!”
传八不由得站起来喊道,听到传八的喊声,夫人也出来了。
“可是,修行僧到底是谁呢?”
“哎,我也不清楚,说不定也许是天狗呢。据说天狗在人前现身的话会变成修行僧。”
“一定是天狗干的。不然,不可能孩子忽然没影了,怎么办才好呢?”
“弄不好,我们的孩子现在正被带到山里遭罪呢。”
看到着急得流泪的夫人,估衣铺的主人安慰说:
“如果对手是天狗的话,我们何不找妙法寺的上人(高僧),说不准他也许会有什么好办法。听说上人的法力非常高深。”
于是,传八立刻去了妙法寺,拜托上人:
“请您一定把我的孩子从天狗那里夺回来。”
第二天,传八家里筑起护摩坛(举行护摩式仪式的坛),等待上人的到来。一会,上人带领二十多个僧人,来到了传八的宅院。
上人立刻燃起了护摩(燃烧称为护摩的木片向佛祈祷),和其他僧人一起一心一意的祈祷。
之后每天都同样祈祷,到了第七天,护摩的火越发高高燃起,万里晴空中忽然浮出一个黑影。
传八夫妇以及其他看热闹的人一起朝空中一看,黑影越来越大,刚看清楚黑影像大雕一样飞来,黑影已经轻轻的落到了院子里。
“天狗!”
落到院子里的是一个背生翅膀,长着雕一样的嘴的鼻子尖尖的天狗,怀里抱着一个男孩。
天狗一声不响的把孩子放下后,飞向天空远处很快消失了。
“惣九郎!”
传八跑过去,紧紧的抱住了自己的孩子。
夫人合掌向上人和众僧人道谢:
“谢谢!谢谢!”
看热闹的人也都回过神来:
“太好了,太好了。”一边说,一边点头赞许。
这件事情后,妙法上人名气大振。
可是惣九郎从那以后,不知什么缘故,像失了神似的,不管问他什么他都是一个劲的摇头。
村里的人每次看到惣九郎都会说:
“天狗这东西太可怕了。好像能把人的魂魄吸走似的。”
所以人们更加害怕天狗了。