【日本经典故事诵读】どっちが本物?
どっちが本物?
兵庫県の民話
むかしむかし、山やま奥の一いっけん家やに、木こりとおかみさんと、生うまれたばかりの赤あかちゃんがいました。
ある日ひの事こと、木きこりが仕事しごとから戻もどってくると、囲炉裏いろりのそばに二人ふたりのおかみさんが坐すわっているのです。
「なんだ、これは?」顔かおも着きている着物きものもそっくりで、どっちが本当ほんとうのおかみさんか見分みわけがつきません。
おまけに二人ふたりとも赤あかちゃんをだいていて、赤あかちゃんの顔かおと着物きものもそっくりです。
(ははん。さては、タヌキのしわざだな)
木きこりはわざと平気へいきな顔かおでおかみさんたちのよこに坐すわると、囲炉裏いろりの中なかに火ひ箸ばしを入いれました。囲炉裏いろりの火ひで、火ひばしはまっ赤かになりました。
それを掴つかんで、木きこりが言いいました。
「はて、どっちが本物ほんものかな。わしの嫁よめなら耳みみを動うごかすはずだが」
そのとたん、一人ひとりのおかみさんの耳みみがピクピクぴくぴくと動うごきました。
「お前まえが偽者だ!」木きこりはいきなり、その動うごいた耳みみに火ひばしを突き刺しました。
「フギャーーー!」火ひばしを耳みみにさされたおかみさんは、たちまちタヌキの姿すがたに戻もどって、ころぶように逃にげていきました。
「しようのないタヌキだ」木きこりはホッとして、おかみさんと赤あかちゃんを抱だきしめました。
山奥:深山里。
木こり:樵夫,伐木人。
おかみさん:主妇;太太,老婆。
囲炉裏:地炉,炕炉。
そっくり:全部,完全;一模一样。
見分け:识辨;辨别;区分。
おまけに:又加上,更加上,而且。
さては:还有,并且还;最后还。
タヌキ:狸;骗子,狡猾的人。
しわざ:搞的(鬼),干的(勾当)。
わざと:故意地;特意地。
平気:冷静,镇静;无动于衷;不在乎。
火箸:火筷子,火箸。
まっ赤:通红;鲜红。
ピクピク:害怕发抖,战战兢兢,提心吊胆。
偽者:假冒者,冒充者。
いきなり:突然,冷不防,马上就。
突き刺す:扎,刺;插;扎入;扎透。
ホッと:叹气;放心。